副院長 道明 智徳
皆さんは日ごろからきちんと眠れていらっしゃるでしょうか。
不眠で悩む方の中には誤解された睡眠習慣によって、良く眠れないと感じていることがあります。
今回は良く眠るためのヒントについてお話したいと思います。
そもそも適切な睡眠時間とはいったいどのぐらいでしょうか。
実は適切な睡眠時間は個人差があり、また年齢によっても変わってくると考えられておりどのぐらいが適切とは一概にはいえません。
成人の方では平均すると7時間ぐらいの方が多く、6時間から8時間ぐらいの中に多くの人の適切な睡眠時間があるといわれています。これは6時間でも十分な人もいるというだけであって、6時間とれば十分という意味ではありません。朝起きた時に疲れがとれていない、昼間に眠気が強くなる、休日になると朝遅くまで寝ているという人は普段から慢性的に睡眠が不足している可能性がありますので、もう一度自分にとっての適切な睡眠時間について考えてみることをお勧めします。
逆に本来7時間で十分な人が無理に8時間寝る必要はありません。若い頃に8時間寝ていたからと「不眠」を心配している年配の方もいますが、加齢に伴い徐々に必要な睡眠時間は短くなるのが一般的です。
十分に眠れないという方は以下のような事柄を参考にしてみてください。
睡眠のリズムは「朝の起床時間」によって調整されています。起きて明るい場所で過ごすことで体内時計のタイマーがセットされ、夜の眠たくなる時間が決まります。
寝入るのが遅くなったために朝起きられず昼近くまで寝ている方がいらっしゃいます。本人としては早く寝ようと思ってもなかなか眠れずに苦労されているのですが、起きる時間が遅い状態が続くといつまでたっても寝つきは良くなりません。遅く起きれば身体の方は起きた時間をその人にとっての「朝」と認識しますので、当然寝付く時間は遅くなるという悪循環になってしまっているのです。
朝起きる時間を一定にして生活するよう心がけてみましょう。
眠れない時にアルコールを飲んでいるという方がよくいらっしゃいます。しかし実はアルコールはいったん眠くなるものの、さめてくる夜中にはむしろ中途覚醒の原因となったり、眠りを浅くしたりすることがわかっています。またアルコールは慢性的に使用することで眠気の効果が乏しくなります。量が増え、依存症となる可能性があります。不眠を改善する目的でアルコールを使用することは避けましょう。
身体を動かすと睡眠が深くなることは皆さんも経験があると思いますが、ついついおろそかになりがちです。
「眠らなければ」と気負えば気負うほどかえって眠れなくなるのが睡眠の難しいところです。過剰に心配せずにリラックスした方が結果的には良く眠れます。その日によって睡眠はむらがあるものです。
上記のようなことを実行しているにも関わらず慢性的に不眠が続いたり、不眠以外の症状もあったりするのであれば一度専門家に相談してみましょう。何らかの病気の症状のひとつとして不眠がちとなっている可能性もあります。
睡眠薬の使用について依存等への不安をおぼえる方も多いですが、医師の指示通りに使用するかぎりはそれほど心配されなくても大丈夫です。疑問な点は担当する医師によく相談するとよいでしょう。
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